リピートの理由はその道のりにあり?秘境で味わう小太郎茶屋の草だんご
「大好きなスポットで、いつもかならず寄ります。」「行く価値ありです!」
険しい道のりにも関わらず、リピーターが絶えない秘境があります。栃木県那須塩原市、塩原温泉郷の山間にある「小太郎ヶ淵」では、夏は“涼”を、秋は渓流を真っ赤に染める紅葉を求める人々が集います。
塩原温泉の中心部から車でわずが10分程にも関わらず、国道をさらに脇道へと進む険しい道の先にあるそのスポットは、まだ“知る人ぞ知る秘境”とも言える穴場です。
小太郎ヶ淵の看板から崖を下る急こう配で危険な細い砂利道を乗り越えると、木立のすきまから聞こえる豊かな水の音、そしてその渓流にひっそり佇むようにして古びた一軒家が見えます。
実は小太郎ヶ淵を訪れる観光客の本当のお目当ては、この一軒家で供される「小太郎茶屋」の草だんご。まさに“花よりだんご”というわけ。
岩場をつなぐ木板の橋を渡り、小太郎茶屋へ。名物の草だんごは、小太郎茶屋のお母さんが毎朝付近の山から採ったよもぎを使って手作りしています。コロコロと小さな一口サイズの草だんごは、よもぎの香りが特段に高く、作り立てならではの粘り気の強いもっちりとした食感。
まずは何もつけずによもぎの香りをたっぷり味わい、続いて添えられたつぶ餡やきなこをつけていただきます。幼い頃に田舎で食べた草だんごを思い出す懐かしい味は、リピーターが多いのも頷けます。
小太郎茶屋では名物の草だんごだけでなく、夏にぴったりのところてん、冬なら煮込みおでんやきのこうどんなども提供しています。車で来ていなかったら間違いなくおでんと瓶ビールをお願いしたくなりますが、そこは我慢。
今にも壊れてしまうのではと心配になる佇まいの小太郎茶屋は、なんと明治時代に創業したとのこと。訪れた時は、2階建ての建物の1階で調理をしていましたが、かつては2階も食事ができる場として使われており、渓流を上から見下ろせると人気だったのだとか。
残念ながら渓流の氾濫などで建物が劣化して、今では2階に上がることができません。それでも渓流の美しさは当時のまま。外の縁台に腰かけてのんびりと草だんごをほおばると、時がゆっくりすぎていくように感じられます。
小太郎ヶ淵で味わう自然と、のんびりと流れる時の豊かさゆえに、人気になられてしまうのも困りものとすら感じてしまう那須塩原の秘境に足を運んでみてはいかがでしょう。
【小太郎ヶ淵への行き方】
塩原ビジターセンターから国道400号線を下り、県道56号線方面(四季の里橋)へ左折。道なりに進み、「小太郎ヶ淵入口」の看板を目印にななめ右方向へ。
<近道>小太郎ヶ淵の看板のある下り坂(車で1分、車1台分がぎりぎり通れる崖の砂利道を進むため、車高の低い車は不向き)
<安全道>小太郎ヶ淵の看板を通り過ぎ、県道56号線をさらに直進。2分ほど進んだ分かれ道の下り坂を進み直進(右側)。(小太郎ヶ淵の看板から約10分。かなり遠回りだが安全)
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住所:栃木県那須塩原市塩原1436
TEL:0287-32-2246
営業期間:3~12月
営業時間:8:00~日没まで(早朝は草だんご仕込み中の場合
アクセス:塩原温泉ビジターセンターより車で約10分
駐車場:あり(約20台)image by:まつこ
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